妻からの厳命でたった一晩で何千冊もの本を処分することに…(ラサール石井)

2021/06/10 00:26配信【日刊ゲンダイ】

次はフィギュアと服…(提供写真) 次はフィギュアと服…(提供写真)

【ラサール石井 東憤西笑】#59

 今この原稿を1日前の火曜日の朝に書いている。先ほどまで徹夜で作業していてほとんど眠っていない。締め切りはぎりぎりだ。というのも私は毎日YouTubeで朝6時から生配信をしていて、そのために3時に起床しているから、配信が終わるまで執筆に取りかかれないのだ。まあこれも言い訳なのだが、しかし今朝はその配信も急きょ休んでの徹夜作業があった。

 それは奥さまから厳命された「断捨離」である。数多くある私の欠点の一つ「モノを増やす」「整理しない」「片付けられない」etc……ああ、一つではないか。とにかく、いつまでも昔からのものを捨てず、思い出だ資料だと実際には何かに使ったこともないくせにやたらとため込むのだ。しかも家にモノがあふれているくせに、新しい本や道具やグッズをさらに買い込んでくる。それらが整理整頓されずただ放置されている。

 その最たるものが本である。もちろん読書は好きだ。しかし「本を読む」より「本を買う」ほうがもっと好きなのだ。一回書店に行けば紙袋パンパンに買ってしまう。時にはそれが2つになる。分厚いハードカバーなど見るとたまらない。中身よりもその厚さに圧倒され買ってしまう。

 通販で買えばいいと思われるだろうが、もちろんそれも買う。毎日のようにAmazonがやってくる。かくして我が家には本があふれる。しかも読んでいない本が本棚や壁の隙間に二重三重に積み上げられ、見えなくなるからますます読まない。結局この先の一生かけても読みきれなさそうな大量の本が我が家にある。何千冊はあろうか。

 反対に奥さまは片付け上手の捨て上手だ。さすがに私のものを勝手に捨てたりはしないが、増えゆくモノたちを苦々しく見ている。

 そしてついに命令が下った。ここからここまでのスペースに入るだけの本を残し、全て売れと言う。もっと若ければ反論もしたが、そろそろ「終活」も考える年頃、仕方なく暇を見つけてダラダラとやっていたら、らちがあかんと見た妻は、さらなる強硬手段に出た。本ではなく私の部屋の壁一面に設置した本棚をバラし、粗大ゴミで出せと言う。しかも期限は1日。これはもう至上命令だ。

 本棚に飾った本や小物を全て出し、本棚を部屋から撤去してばらさなければいけない。ほぼ一晩で。

 先ほどまで泣きながら本を仕分け、もうときめくとかときめかないとか考えている暇もなく、段ボール20箱に梱包し、その横で奥さまは頼もしいぐらいのバリバリという音を立てながら本棚を解体していた。

 何十年間で収集したものは、私の心を少し癒やしただけで、あえなくゴミになった。私が宝だと思っていたものは私の体にまとわりつく汚いあかだったのかもしれない。

 感傷に浸っている暇はない。次には数多くのフィギュアと大量の服が待っている。

(ラサール石井/タレント)


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