忘れられないケンドーコバヤシの礼儀正しさ…バイクを止めわざわざ挨拶

2021/06/10 00:26配信【日刊ゲンダイ】

ケンドーコバヤシ(C)日刊ゲンダイ ケンドーコバヤシ(C)日刊ゲンダイ

【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#52

 ケンドーコバヤシの巻

 ◇  ◇  ◇

 ここ最近はお笑い界の「ご意見番」的な存在にもなってきたように感じる“ケンコバ”ことケンドーコバヤシ君。

■中川家、陣内らそうそうたる同期

 NSC大阪11期生で、同期には中川家、陣内智則、たむらけんじ、ハリウッドザコシショウ、吉本新喜劇の烏川耕一らそうそうたるメンバーがおり、在学中は型にはまらない“ハチャメチャな”漫才をやっていました。元ハリガネロックのユウキロックとのコンビ「松口VS小林」では、ネタの中でプロレス技を掛け合ったり、どちらがやっていたか定かな記憶はありませんがツッコミにドロップキックをするなど、粗削りながら文字通り“体を張った”ネタを見せてくれました。

 現在の芸名・ケンドーコバヤシもプロレスラーの「ケンドー・ナガサキ」から取ったようなので、プロレスが大好きだったのでしょう。強烈なインパクトがあったので在学中にNSCからの推薦で「オールザッツ漫才」にも出演したんじゃないかと記憶しています。

 その後、新たに同期の村越周司君と組んだ「モストデンジャラスコンビ」が名前の通り、何をやりだすかわからない「モストデンジャラス」な内容で当時の心斎橋筋2丁目劇場で活躍していましたが、村越君の引退(現在は復帰してピン芸人として活動中)でコンビが解散。

 そこからピン芸人になり、頭角を現し、現在に至っています。

 もう長らく会っていませんが、ケンコバ君を忘れることができない出来事がありました。

 卒業後、まだ大阪で活動していた頃に、あるテレビ局の前で信号待ちをしていた時のこと、車道が青信号にもかかわらず、バイクが私の前で急停車。黒ずくめでフルフェースのイカツイ男がバイクから降りて私に向かってきたのです。

 一瞬、イチャモンでもつけられるのかと身の危険を感じましたが、その男はヘルメットを脱いで直立不動で「おはようございます。ごぶさたしてます」と深々と頭を下げて挨拶してきたので二度ビックリ!

 それが数年間会っていなかったケンコバ君でした。信号が変わらない間の短い会話で何を話したのか覚えていませんが、話が終わるとまた直立不動で「失礼します!」と頭を下げてバイクにまたがり走り去っていきました。

 こちらはまったく彼に気づく状況でもなく、そのまま通り過ぎてもよかったものを、私を見つけてわざわざ止まって、バイクから降りてきてくれたことに驚き、うれしかったことを今でもはっきり覚えています。

 小学生から空手をやっていて礼儀を叩き込まれている彼にとっては恐らく当たり前のことで、覚えていないと思います。よく芸人は挨拶が基本とはいいますが、仕事場を離れるとそうそう同じようにはできません。彼のこういう姿勢が先輩芸人はもちろん、テレビ局の方や周りの方に好かれ、仕事につながっているのでしょう。

 メディアで彼の姿を見るたびに、この時のことを思い出します。好漢・ケンドーコバヤシ君の一層の活躍を期待しています。

(本多正識/漫才作家)


このニュースを読んでどう思う?

0 みんなの意見 0
良い!に回答しました
悪い!に回答しました