愛犬の葬儀のため東京駅で待ち合わせ…ドン・ファンは「ミス・ワールド」と現れた【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】

2021/09/15 00:26配信【日刊ゲンダイ】

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【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】#50

 野崎幸助さんと電話でしゃべっていると、鼻がツーンとして目頭が熱くなった。

 野崎さんの愛犬イブは、私の言うことは全くきかないわがままなお嬢さま犬だったが、吠えることもなくおとなしいので、散歩にも何度も連れていっていた。

 ただ、ゴールデンウイーク前に田辺を訪れた時は様子がちょっと変だったので、「イブちゃんの動きがおかしいですね。太りすぎなのかな?」とドン・ファンに話していた。

 それでも、まさか死んでしまうとは思っていなかった。

「私ね、今日は病院があるから、これから東京に飛ぶんです。明日は帰りますから吉田さん、私と一緒に田辺に行ってイブの葬儀に出てもらえますか? 明日の午後2時からですので」

「分かりました。くれぐれも気を落とさないで下さいよ」

「はい、はい。ありがとうねえ~」

 ドン・ファンが比較的冷静な受け答えだったことに救われた。

「昨日の夜10時近くに、『イブちゃんの調子がおかしいから大阪の病院まで行ってくれませんか?』と社長から電話があったんや。だけどワシは酒を飲んでいたから『無理です』って断った。早貴がネットで動物病院を調べて、結局、大下さんが運転して3人で向かったってよ」

 この日の昼すぎに、アプリコの番頭格・マコやんから事情を聴くことができた。

 翌8日の午前7時前、ゴールデンウイーク明けの東京駅に通勤客や旅行者の姿は少なかった。ドン・ファンとの待ち合わせは八重洲中央口の改札前だったが、彼の姿はない。10分ほどすると携帯にかかってきた。

「ホテルに忘れ物をしてしまって一度、戻っていましたから、あと10分ほどかかります。よろしくお願いいたします」

■改札口に現れた「ミス・ワールド」

 電話の向こうから社長の落ち着いた声が聞こえた。10分では定宿の六本木のホテルから来ることはできない。彼がこのようなウソをつくのは珍しいことではないので、気にも留めなかった。

 もっともこの時は他に皇居前のホテルも利用していたことを知らなかった。そこからだと東京駅までタクシーで5分もかからない。築地の聖路加国際病院に通うには、確かにこちらの方が便利だ。

 社長がやっと姿を現したと思ったら、後ろから長身でスレンダーな女性が現れた。社長のバッグを手にして、私にペコリと頭を下げた。

「ミス・ワールドやで」

 社長が誇らしげに紹介した。=つづく

(吉田隆/記者、ジャーナリスト)


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