新横綱・照ノ富士は両ヒザに“爆弾”抱えるも…綱を「細く長く」張り続けなければいけない事情

2021/09/15 02:06配信【日刊ゲンダイ】

14日も危なげなしの照ノ富士(C)共同通信社 14日も危なげなしの照ノ富士(C)共同通信社

「怖いのは突発的なケガだけです」とはある親方。

 14日も隆の勝を下し、初日から3連勝の新横綱照ノ富士(29)に関し、「知っての通り、照ノ富士は両ヒザに爆弾を抱えている。前に出て攻めているぶんにはいいんです。相手に押されて後退、踏ん張った時が怖い。念願の横綱になったからといって気を緩めるわけにはいきません。力士生命に影響するような致命的なケガだけは避けなければならない。細くとも長く、というのが本人の本音だと思う。将来に直結しますから」と、続けるのだ。

 照ノ富士は8月に日本国籍を取得。日本人「杉野森正山(すぎのもり・せいざん)」として親方になることもできる。問題は、その後だという。

 歴代横綱はそのほとんどが「師匠」となっている。ここで言う師匠とは親方のことではなく、部屋の経営者の意味。部屋付き親方は「師匠」とは呼ばれず、東富士や安芸ノ海のように諸事情で部屋付き親方のまま廃業したケースを除き、定年まで部屋付きだった横綱は皆無だ。

 師匠になるには先代からの継承と独立の2パターンある。照ノ富士の場合、前者は見込めない。帰化の際、名字を師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と同じにするくらい慕っているものの、後継者は伊勢ケ浜親方のいとこの息子にあたる、元安美錦の安治川親方で内定している。

 かといって、独立にはカネもかかるし、何より弟子集めも一苦労だ。

■同じモンゴル勢でも鶴竜は…

 相撲部屋経営の経験もある角界OBは「黙っていても新弟子が集まってきた昔でさえ、現役中から巡業先で弟子集めに熱心な横綱もいたほどです」と、こう続ける。

「現在は、身長・体重基準を緩和しても、入門希望者は全盛期の半分以下というありさま。弟子集めは学生出身なら母校のツテ、あるいは郷土の縁、タニマチなど個人の人脈による紹介がある。照ノ富士は鳥取城北高校出身だが、同校はすでに相撲強豪校としてさまざまな部屋に力士を供給。独り占めは難しい。そのうえ白鵬が、石浦総監督の息子の石浦を内弟子に抱えるなどルートをガッチリ築いていますからね。食い込むのは至難です。外国人力士は1部屋1人の決まりがあるので、モンゴル人は1人しか入門させられない。となれば、後は日本各地に自分の目となり耳となる人物を増やせるかどうか。人脈づくりはコロナ禍の影響を多大に受けるだろうけど、こうしたことは現役横綱でチヤホヤされるうちにやっておかないと後々大変です」

 同じモンゴル出身の鶴竜親方も同条件のように思えるものの、こちらは「井筒部屋再興」という目標がある。その時になれば、全国の井筒部屋関係者の支援が望める。

 照ノ富士は横綱として成績を残す一方、少しでも長く土俵に立って将来の経営者として人とカネを集める準備もしなければいけないのだ。


このニュースを読んでどう思う?

0 みんなの意見 0
良い!に回答しました
悪い!に回答しました