iPSから受精卵、条件付き容認=不妊症の原因解明期待―内閣府調査会
2025/09/03 18:21配信【時事通信社】
内閣府の生命倫理専門調査会は3日までに、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から作製した精子と卵子を受精させる基礎研究を条件付きで認める報告書を取りまとめた。国の指針で禁止されてきた研究を解禁するもので、不妊症の原因解明や遺伝性疾患の研究などに役立つことが期待される。 同日開かれた会合では、文部科学省などの関連指針の改正案が了承された。今後、パブリックコメントなどを経て正式に改正される見通し。 ヒトの幹細胞から精子や卵子を作る研究は2010年の指針で認められていたが、受精は禁止されてきた。一方、マウスでは既にiPS細胞由来の精子と卵子から個体が誕生する例が報告されている。報告書はヒト幹細胞由来の受精卵(胚)について、「(母胎に移植すれば)人として誕生し得る存在」とした上で、研究目的を不妊症の原因解明など基礎研究に限定した。