利用増える退職代行サービス=弁護士会が違法性指摘も―モームリ運営会社捜索
2025/10/22 10:11配信【時事通信社】
本人に代わって退職手続きを行う「退職代行サービス」は近年、利用者が増加傾向にある。一方で、弁護士会が一部サービスに違法性が含まれる可能性を指摘。警視庁が家宅捜索した会社については、同業者からも懸念する声が上がっていた。 東京商工リサーチ(TSR)が6月に企業を対象に行ったインターネット調査によると、回答があった約6600社のうち、退職代行業者から退職手続きの連絡を受けた企業は7.2%あり、うち資本金1億円以上の大企業では15.7%に上った。TSRは、サービスがメディアやSNSなどで取り上げられたことにより「利用のハードルが下がった」と分析している。 一方、東京弁護士会は昨年11月、「退職代行サービスと弁護士法違反」と題する注意喚起を発表。残業代の支払いやパワハラを受けた際の慰謝料などについて、弁護士資格のない退職代行業者が企業と交渉をするのは弁護士法違反に当たると指摘し、同サービスにはこうした非弁行為が「含まれる場合がある」とした。 ある同業者は、家宅捜索を受けた「退職代行モームリ」について、ウェブサイトに「労働組合提携」と記載し「団体交渉権を持ち、会社と交渉することができる」と合法性をうたっていたが、現在は削除されていると指摘。モームリのサービス利用者から「勤務先から給料が支払われなかった上、高額な弁護士をあっせんされた」などの相談がこの業者に複数寄せられているといい、「利用者側に不利益が生じているのではないかと懸念していた」と明かした。