USスチール、2.1兆円投資へ=AI需要狙い、日鉄傘下で―経営計画
2025/11/05 05:29配信【時事通信社】
【ニューヨーク時事】日本製鉄が今年6月に完全子会社化した米鉄鋼大手USスチールは4日、中長期経営計画を発表し、鉄鋼生産増強へ総額140億ドル(約2兆1500億円)を投じる方針を示した。人工知能(AI)ブームが巻き起こる中、データセンター向け需要を取り込む狙いから、変圧器用の高級鋼板を生産することも明記。米国内で10万人超の雇用創出と、30億ドル相当の投資効果を見込む。 製造業復活を狙い国内投資の拡大を呼び掛けるトランプ大統領に共鳴した形だ。 計画には、日鉄がUSスチール買収に当たり、2028年までに投資すると確約した110億ドル分も含まれている。設備老朽化などで競争力が低下し、USスチールは慢性的な経営不振に直面。設備の更新や新設、研究開発の強化などを図り、収益力向上を目指す。 USスチールのブリット最高経営責任者(CEO)は声明で、日鉄の傘下入りで「製鉄の未来を切り開くため偉大な道を進んでいる」と強調。日鉄の森高弘副会長は「米鉄鋼産業の強化や雇用拡大に貢献し、従業員や顧客、地域に長期的な利益をもたらす」と誓った。
