尹前大統領に死刑求刑=非常戒厳巡り、2月にも判決―韓国

2026/01/13 22:50配信【時事通信社】

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦前大統領が2024年12月に「非常戒厳」を宣言し、内乱を首謀した罪で起訴された事件で、2回目の論告求刑公判が13日、ソウル中央地裁で開かれた。特別検察官は「反国家勢力による重大な憲法秩序の破壊事件だ」と指摘し、死刑を求刑した。この後、被告が最終意見陳述し、結審。判決は2月になる見通し。 特別検察官は論告で「長期執権のため、軍事力や警察力を動員した内乱で、国民と国家に与えた衝撃は言葉で言い表せないほど大きい」と強調。「民主主義が損なわれる事態を二度と繰り返してはならない」と述べ、尹被告が反省していない点も考慮し死刑が妥当だと説明した。 同罪の法定刑は死刑または無期懲役、無期禁錮となっている。軍、警察の元幹部ら7人の審理も併せて行われ、特別検察官は共犯として内乱重要任務従事などの罪に問われた金龍顕前国防相に無期懲役を求刑した。地裁は9日の結審を目指したが、弁護側の弁論が長引き、期日を追加した。 起訴状によると、尹被告は24年12月3日、憲法が戒厳の要件と定める戦時・事変などに該当しないにもかかわらず戒厳を宣言。軍や警察を動員して国会を封鎖させたほか、政治活動を禁じる布告令の発出や中央選挙管理委員会への軍派遣にも関与したとされる。 一方、尹被告は戒厳宣言は「数時間で終わり、暴力的でなかった」などと主張。大統領の正当な権限行使だったとして無罪を訴えている。 尹被告は25年1月、現職大統領として初めて内乱首謀罪で逮捕、起訴された。同年4月には憲法裁判所が大統領を罷免。李在明政権発足後に捜査が進み、職権乱用や公選法違反などでも裁判にかけられている。 1979~80年の「粛軍クーデター」や戒厳令に関与した全斗煥、盧泰愚両元大統領は退任後に内乱罪で起訴され、97年に最高裁でそれぞれ無期懲役、懲役17年の刑が確定し、後に特赦された。韓国では同年を最後に死刑が執行されておらず、事実上の死刑廃止国と見なされている。 


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