自民鈍く、維新と温度差=衆院定数削減、野党も慎重
自民党と日本維新の会は、衆院議員定数(465)の1割削減に向けた与党の実務者協議を月内に再開する。両党の党首が3月、関連法案の今国会成立を目指す方針を確認しているが、自民内の動きは鈍く、維新と温度差がある。野党は「削減ありき」の議論に反発しており、着地点は見えない。 与党協議は昨年12月以来の開催で、自民の加藤勝信政治制度改革本部長と維新の浦野靖人選対委員長代行らが出席する予定。2月の衆院選やその後の予算審議の影響で中断していた。3月17日に高市早苗首相(自民総裁)と維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が定数1割削減を目指す方針を改めて確認したことを受け、仕切り直すことになった。 維新は定数削減を連立政権入りの「絶対条件」と位置付け、自民と合意を交わした。比例代表のみを対象とした45議席減を関連法案に盛り込みたい意向だ。これに対し自民内では比例選出議員を中心に異論が根強く、「段階的に削減するしかない」(幹部)との声も漏れる。 衆院選で自民が大勝し、政権内で維新の発言力が低下したことも定数削減の機運をしぼませている。維新には、自民が合意を軽視しているとの疑念があり、ベテラン議員は「言うべきことを言わないと自民に飲み込まれる」と危惧する。 首相は党内の動きの鈍さにいら立ちを募らせているとみられ、自民ベテランは「首相はスピード感をいたく気にしている」と指摘。与野党の選挙制度協議会の座長を、定数削減に慎重だった逢沢一郎衆院議員(自民)から鈴木馨祐前法相(同)に交代させたのも、議論を加速させる狙いだった。 16日に開かれた与野党協議会では、鈴木座長が終了間際に「定数削減」を議題に加えるよう提起。野党からは「定数削減ありきで議論すべきでない」と批判が噴出した。比例削減は中小政党に不利に働くため、野党に反対論が根強い。今後の進め方は幹事会で話し合うことになった。 自民、維新はそれぞれ党内での議論も再開させる。ただ、自民は「与野党協議会に沿うように進める」(党執行部)として、定数削減だけでなく選挙制度の在り方も含めて検討する見通しだ。 与野党協議会は、国勢調査(2025年実施)の速報値が公表される今年5月ごろまでに結論を出す方針だったが、衆院選の影響で議論が止まっていた。国民民主党は国勢調査の確定値が判明する今秋への先送りを主張しており、取りまとめの時期も不透明となっている。
