大型連休、クマ対策強化=シェルターや看板新設―各地の観光地
大型連休に入る中、全国の観光地などでクマ対策が強化されている。昨年度の被害者数は238人(速報値)と過去10年で最悪を更新し、3月以降は冬眠から覚めたクマの出没も相次ぐ。キャンプ場や観光施設などは、シェルターや注意喚起の看板を新設するなどの対応を進めている。 宮城県南三陸町の神割崎キャンプ場。敷地内でのクマの目撃報告は過去1件もないが、周辺では1月、クマらしき動物が目撃された。キャンプ場は1週間営業を休止し、数カ月おきだったクマよけ薬剤の散布を2、3週間に1回に増やした。 避難用シェルターも新設し、利用客には受付時に注意を呼び掛けている。スタッフは「大型連休は県外からの利用客が多く、キャンプが初めての人もいる。安全に楽しめるように、避難方法などを丁寧に説明したい」と力を込める。 新潟県妙高市の山あいに近い観光施設では4月22日午後3時ごろ、体長約1メートルのクマが出た。被害はなかったが、注意喚起の紙を張り、入り口のドアを自動から手動に切り替えた。以前から目撃情報はあったため、クマよけスプレーを備えることも検討中といい、担当者は「大型連休の客足に影響が出てしまうかも」と懸念する。 福島県喜多方市では冬場もクマの出没が相次いだことを受け、例年4月に行う鳥屋山の山開きイベントを中止した。ただ、登山自体は可能なため、市は登山口や最寄り駅に注意喚起の看板を設置した。 同県会津坂下町の高寺山では4月18日の山開きに当たり、町職員が先に入山して例年の2倍以上の花火を打ち上げ、爆発音でクマを追い払った。登山客に同行する職員も音でクマを遠ざける火薬銃を初めて携行。家族5人で訪れた神尾洋さん(40)は「対策してくれたので安心できた。今後も、音楽を流し、人から離れないよう気を付けたい」と笑顔を見せた。 県内では同月26日にも福島市内で男性がクマに襲われており、県は特別注意報を発令した。担当者は「出掛ける先の目撃情報を事前に調べ、山に入る時には鈴を携行するなど対策を十分に取ってほしい」と訴えている。
