美輪明宏さんを悼む、椎名林檎×成田悠輔、高市首相“サナエトークン”疑惑――週刊誌が映す日本の現在地

2026/07/07 11:00配信【サイゾー】

m_4140702013.jpg



<今週の注目記事>

1「橋本愛(30)が号泣した佐藤二朗(57)の『爆弾ハラスメント』」(「週刊文春」7月9日号)

2「自民税調は大混乱 高市首相に盾突く憤激の小渕優子」(「週刊新潮」7月9日号)

3「天皇が高市首相旧宮家養子案に異例のご懸念を示された」(「週刊文春」7月9日号)

4「スクープ 1枚2000円、ネットオークションでは2万円超えの公式グッズ『サナエタオル地元有権者に無償配布』で高市首相に公選法違反疑惑」(「週刊ポスト」7月17日号)

5「現物入手 高市事務所がダマされた疑惑の首謀者とトランプ大統領親密写真」(「週刊現代」7月20日号)

6「美輪明宏 文春記者に開陳した『不倫論』『薔薇とヨイトマケの人生』」(「週刊文春」7月9日号)

7「東京23区『新築マンション』は平均1億6000万円 気が遠くなる『50年住宅ローン』の吉凶」(「週刊新潮」7月9日号)

8「安倍元首相銃撃4年 辞職した元奈良県警本部長(54)は今何してる?」(「週刊新潮」7月9日号)

9「中国人『偽装結婚』驚くべき実態」(「週刊新潮」7月9日号)

10「“森友改ざん”佐川宣寿が名門企業2社に天下りしていた」(「週刊文春」7月9日号)

11「日本公演『60周年』記念対談 高嶋弘之×新田和長『ビートルズ』熱狂の舞台裏」(「週刊新潮」7月9日号)

12『私はマゾ』メールで逮捕 経産省『キャリア官僚(53)』が浅はか過ぎた」(「週刊新潮」7月9日号)

13「スクープ 椎名林檎(47)×成田悠輔(40)『親密デート&密会現場』撮った」(「FRIDAY」7月17・24日号)


 今週の文春がおかしい。


 あれだけ熱心に連続追及してきた高市首相陣営の中傷動画問題を“パタッ”と今週は止めてしまった。


 週明けから、この問題を含めて、高市首相の対応が焦点になり、会期末までに残されている皇室典範改正、議員定数削減、食品の消費税減税などの重要法案が審議され、成立するかどうかの瀬戸際である。


 中でも、答弁が二転三転した「高市首相の公設第一秘書の木下剛志」と起業家・松井健との「他候補を中傷する動画作成問題」は、野党が責めやすい問題だった。


 それが白熱するであろう今週の国会に、新しいネタはなくとも、これまでの疑惑を総ざらいするなど、やり方はあるはずだ。


 それが不思議なことに消えてしまっているのだ。


 松井がつくったという中傷動画などの中に、あるべきはずのない時期を外した写真が紛れ込み、それを週刊現代に指摘されたため、文春と松井を取材した共同通信が、松井から提供された動画や写真を削除したり、一時停止にした。


 これまで松井の言葉を鵜呑みにしてきた文春。松井が提供した動画だけではなく、松井の「告白」の中に何か大きな矛盾点やウソが見つかったのではないのか。


 もしそうだとすると、文春砲の真実性を根本から揺るがす「誤報」になるかもしれない。


 文春は逃げないで、誌面で堂々と事実を述べるべきである。


 また、今週の記事でも、オヤと首を傾げる記事がある。俳優・佐藤二朗のセクハラ報道である。これは後で触れるが、文春らしくない報道である。


 さて、早速いこう。


 FRIDAYによると、椎名林檎(47)が成田悠輔(40)が親密だそうである。


 成田は東京大学卒業後、アメリカマサチューセッツ工科大学で博士号を取得し、アメリカのイェール大学の准教授を務める気鋭の経済学者で起業家。取り合わせが面白い。


 5月下旬、2人は都内のジャズライブレストランを訪れたあと、親密な様子で歩き、ホテルへ向かったというのである。


 5月下旬の夜7時半頃、都内にあるジャズライブレストラン『ブルーノート東京』から一組の男女が姿を現したという。丸みのあるミニボブヘアに毛先をクルリとさせた外巻きスタイル。マスクから覗くクリッとした目元が特徴的なこの女性は、“国民的アーティスト”の椎名林檎。


 そんな椎名が寄り添っていたのは、スラリとしたスタイルのメガネをかけた男性。彼は“令和のカリスマ経済学者”と称される成田悠輔(40)だというのだ。


 この日、ブルーノート東京では数々のグラミー賞に輝く人気トランペッター・アルトゥーロ・サンドバル(76)が最新アルバム『SANGU』を携えて8年ぶりの来日公演を開催していたそうだ。


 ライブが終わると、予約していたハイヤーに乗り込む。彼女の自宅マンション前で停車し、そのまま連れ立って建物内へと入っていったというのである。


 成田は昨年12月発売の月刊『文藝春秋』の『成田悠輔の聞かれちゃいけない話』で椎名と対談。もともと椎名のファンだったそうである。


 二人がマンション内に消えてから約1時間が経った夜9時過ぎ。成田はミニキャリーケースを転がしながら再び現れた。憧れの人と過ごした時間を噛みしめるかのように、夜風に当たりながらゆっくりと帰路についたという。


 その後もFRIDAYは2人のデートを目撃し、シティホテルへ入っていったのを目撃している。


 ここで問題があるという。椎名は現在映像ディレクターと事実婚関係にあり、彼女のバックバンドでギタリストを務めていた元夫(享年49)との子どもを含めて3児の母だという。


 成田のほうも、別居婚ではあるが既婚者だという。すなわちW不倫。


 さて、この男と女、どういう道を進んでいくのだろう。


 お次は、経産省のキャリア官僚・伊藤正雄(53)が、仕事で知り合って好意を持った女性への嫌がらせに、性的な関係を求める出会い系サイトに「私はマゾ」と書いて送り、名誉毀損の疑いで警視庁人身安全対策課に逮捕されたというバカバカしいお話。


 問い合わせのあった相手に「女性の本名と実際の写真、電話番号」まで載せたメールを50回も送ったというのだ。


 この伊藤という男、神奈川県川崎市のマンガ喫茶のパソコンから送信していたそうだが、防犯カメラで突き止められたという。浅はかというしかない。


 この男、1996年に当時の通産省に入ったが、目立つタイプではなく、こつこつ仕事をやるタイプだったという。


 今年1月から、来春、神奈川県横浜市で開催される「2027年国際園芸博覧会」協会に広報・プロモーション統括長として派遣されていたが、「先が見えて、やる気をなくし、次第におかしくなったのでは」(和歌山県時代に伊藤を知る人物)


 だが、他にやることがあるだろうに。


 ところで、ビートルズが来日したのは1966年6月29日だから、私が21歳の時か。


 まあ、ギャーギャー騒いでいたのは女性ばかりで、私は、喧噪ばかりで彼らの声の聞こえないテレビをボーッと見ていた記憶がある。


 当時、「君といつまでも」がヒットしていた加山雄三が、東芝音工の手引きでヒルトンホテルにいるビートルズに会ったというのは、後から新聞で知った。


 私が好きだったのは「ミッシェル」や「イエスタデイ」だった。


 来日の舞台裏を東芝音楽工業にいた高嶋弘之とやはり東芝の新田和長が話し合っている。


 その裏話より、私は編集者だから、こんなエピソードのほうにへ~と思った。


 高嶋が「 I Want To Hold Your Hand」を「抱きしめたい」というタイトルにしたことだ。


 私の好きなインストゥルメンタルグループ「シャドウズ」の「Spring Is Nearly Here」のタイトルを「春がいっぱい」とした。


 やはりビートルズの「Norwegian Wood」を「ノルウェーの森」にした。このタイトルがなければ村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)は書かれなかったかもしれない。


 映画には原題よりも日本名の優れたタイトルがたくさんある。『巴里祭』などはその最たるものだろう。『慕情』『俺たちに明日はない』『愛と青春の旅だち』『麗しのサブリナ』などなど挙げればきりがない。


 昔は新潮のタイトルをわれわれ編集者は手本にした時期があった。今は、新潮にその面影はない。残念だ。


 お次は文春から。


 部下を追い込んで自殺させても、自分はのうのうと天下りして人生を謳歌している。


 そんな“人非人”のような人間が、この世の中にはいるものだが、森友文書改ざんを命じた元財務省理財局長の佐川宣寿もその一人ではないか。


 その功で国税庁長官に栄進したが、近畿財務局の赤木俊夫が改ざんを苦にして自殺しても、一度も会見せず、国会の証人喚問では証言拒否を50回繰り返した。


 その後、国税庁長官を辞めると鹿児島市にある新日本科学というバイオ企業の顧問に就任したという。


 ここは自民党への献金を繰り返している企業だから、佐川を引き取ったということであろう。


 文春によれば、今年に入りさらに老舗の名門企業2社の役員に就任しているという。


 カセットコンロやガスボンベで知られる「岩谷産業」の社外取締役。


 創業100年近くで、連結売上高は9000億円超、グループ会社は200社を超えるという。その100%子会社「岩谷瓦斯」のウェブサイトを見ると、役員欄に佐川の名があるそうだ。


 佐川について問い合わせると、親会社の岩谷産業からこのような返事があったという。


「同氏の経験・専門性、独立性等を確認したうえで、企業価値向上に貢献いただけるものと考え、選任したものです」と回答したというが、就任の経緯は明らかにしなかった。


 もう1社はやはり大阪市に本社を置く「信和ホールディングス」。創業130年を超える建設や不動産などのグループ企業で、賃貸マンション建設に強みがあり、連結売上高は1000億円を超えるという。


 法人登記を確認すると、今年4月に取締役に就任しているそうだ。


 あれだけ世を騒がし、自殺者まで出したスキャンダルの「主人公」なのに、企業側はイメージダウンになると考えないのだろうか?


 まあ、そんなことを考えるより、彼を受け入れることで財務省や国税庁に恩を売り、便宜を図ってもらう方がよほど実利があると考えてのことだろう。


 こういうケースでいつも思うことだが、本人はいいとして、子どもたちは肩身の狭い思いをして暮らしているのではないか。


 家族のことを考えたら、早く、改ざんの事実を自ら認め、赤木さんの墓参りでもしたらどうか? そうすれば心身ともに軽くなると思うのだが。


 お次は新潮から。


 5分前に出会ったばかりの20代半ばの中国人女性は、筆者(ライターの奥窪優木)に突然、


「本気で結婚する気あるんですか?」


 そう問い質したという。中国のチャットアプリ「WeChat」のコミュニティで募集されていた「日中お見合いパーティー」での出来事だそうだ。20歳近くも年上の中年男性に、結婚の意思を確認する彼女には、ある目論見があったというのである。


「4年前に留学で来日して、語学学校を出た後に中国系企業に就職したけど、いつかは独立して貿易業をやろうとお金を貯めていた。でも去年から、経営・管理ビザの資本金要件が3000万円以上になった。そんな大金、用意するのにあと何年かかるか。だったら日本人と結婚したほうが早いと思って……」(新潮QUE〈7月3日〉より)


 その背景には、こういうことがある。


「2025年10月、政府は経営・管理ビザの許可基準を変更。資本金の要件が従来の500万円から3000万円へと引き上げられたほか、関連分野の修士・博士・専門職学位、または3年以上の実務経験など、新たな要件も追加された。以降、同ビザの新規申請件数は月間平均で96%減となるなど、すでに大きな影響が出ている。既存のビザ保有者には最長3年間の経過措置が設けられているが、飲食店など小規模ビジネス経営者にとっては、資本金を3000万円にまで増額することができなければ、閉業・帰国が避けられない情勢だ」(同)


 それだけではない。


「さらに今年5月29日には『改正入管難民法』が成立し、これまで6000円だった在留資格の変更許可や在留期間の更新許可の申請手数料が最大10万円に、1万円だった永住許可の申請手数料は最大30万円へと大幅に引き上げられた」(同)


 外国人にとって日本在留のハードルが高くなり、一部の外国人の間、特に中国人の中には、日本人との結婚によって在留資格を得ようとする動きがあるようだというのである。


 昨年10月の厳格化以降、経営・管理ビザの申請は激減したが、代わりに増えてきたのが配偶者ビザの申請で、日本人か永住許可を持つ外国人と結婚するケースだという。


 要は、配偶者ビザが必要なので、実際に結婚して夫婦生活を営むわけではない。


 そうした紹介業者の紹介料は80万円。男性側に年間80万円を渡す。帰化か永住権を取得したら離婚するという。


 男のほうは小遣いになるし、同居する必要もないらしい。


 蛇の道は蛇。どんなに資本金を上げようと、更新許可の申請料手数料を上げようと、抜け道はいくらでもあり、モグラ叩きにならざるを得ない。


 政府は、こうした実態を調べて、有効な手段を講じなくては、日本へ入ってくる外国人、特に中国人の数を減らすことはできない。


 だが、そこまで厳しくすると、有能な人材を逃してしまうことになるかもしれない。


 もう一度制度を見直したほうがいいのではないか。


 ところで、安倍晋三元首相が凶弾に倒れたのは2022年7月8日。あれから4年が経とうとしている。


 白昼、元首相が狙撃されるという不手際で、当時の奈良県警本部長だった鬼塚友章(54)は責任を取って辞職した。致し方なかろう。


 就任してわずか3カ月余りだった。


 イフは禁物だが、無事定年まで勤め上げたら、その後は多くの企業の顧問に就くなどして、いい人生を送れたのに。


 再就職したのは64年前に大阪市で創業した不動産会社「HESTA大倉」で、会長室室長をまかされたそうだ。


 その後社長にもなり、代表取締役にもなったが、今年3月にその座を退いているというのである。


 昨年末に体調を崩し、少し休もうとなったと、彼の後任になったヤクルト、巨人などで活躍した広澤克実(64)が話している。


 狙撃犯の山上徹也被告の裁判が始まって以来、「山上は犯人じゃない」などという誹謗中傷が酷くなってきたという。


「私のような汚い野次を浴びて生きてきたスポーツ選手とは違い、エリートの鬼塚さんには応えていたのかもしれません」(広澤)


 厚顔無恥な佐川宣寿のような心臓を持っていればな……。


 さて、地価の上昇が止まらない。


 東京などのマンションは、2021年には6260万円だったが25年には9282万円、そして今年5月には1億660万円とうなぎ上り。


 東京23区では1億6286万円と過去2番目に高い平均価格をつけた。


 要因に、「円安」「「資材の高騰」「鉄筋コンクリートを手掛ける建設技能労働者の人件費の高騰」などがある。


 もはや、パワーカップルといわれる夫婦共稼ぎで裕福な人たちでさえも、手を出しにくい金額になってしまっているのだ。


 私が会社勤めをしている時も、マンションや一戸建てを買う時は、20年、30年ローンが当たり前だったが、今では50年ローンというものがあるというのだから驚く。


「フラット50」という商品もそれである。地方銀行やネット銀行が積極的に始めているそうだ。



 住宅金融支援機構の26年1月の調査によると、35年以上の長期ローンを組んだ利用者は全体で23.4%に上るそうだ。


 30歳で家を買って50年ローンを組むと、返し終わるのは80歳か。ローンのことが頭から離れることはないのだろうな。


 メーカーに勤める小林さん(仮名)は妻と子供2人の四人家族。世帯収入は約1100万円。5000万円の中古マンションを50年ローンで組んだという。


 月々の返済は約11万円で、返済が家計の重荷になっているとは感じない。


 なぜ50年ローンにしたのか?


「幾通りものシミュレーションを行った結果、35年ではなく50年にして、浮いたお金を運用したほうが圧倒的におトクだと判断したからです。(中略)


 借入額は約5000万円。50年ローンの場合、金利が35年ローンよりも0.15%ほど上乗せになることを加味して、年利1.15%で計算します。まず、35年の場合は月々の返済額は約14万円になる。先ほども言ったように50年の場合は約11万円ですから、金額差は3万円です」


 その差額の3万円をインデックス投資で運用すると、年利5%で35年間積み立て運用すると、その資産は約2200万円にまで膨らむという。そうすれば35年ローンよりも1500万円もお得になるというのだ。


 だが、不動産下落、株価大幅安のバブル崩壊、リーマンショックなど、これまでいくつもの悲劇を体験してきた私にとって、そううまく事が運ぶとは思えない。


 昔から「借りたものは早く返せ」というのが鉄則である。政府や銀行の口車に乗せられて、どれだけ酷いことが起きたが、歴史に学ぶべきであろう。



 先週も書いたが、美輪明宏の死は、我々世代にとってはショックであった。


 今をさかのぼる2013年1月、美輪明宏は、クリーム色のゆったりとしたローブに毛皮のストールをまいた装いで自宅の客間に現れたという。


 お馴染みの黄色い髪はカチューシャでまとめられている。文春の取材で、自身の半生をこう振り返っていたという。


「私は世間的に糾弾されたり、日本中を敵に回したりして、普通の人なら自殺しているような人生を送ってきましたけども、そのたびに支えになってくれた友情なり愛情なりにすごく恵まれていたんです」


 3カ月前に体調を崩し、自宅で静養していた美輪が老衰で死去したのは、6月20日の朝。最期の言葉は「ありがとう」。告別式の祭壇には、生前愛した黄色の薔薇が飾られたそうだ。


 晩年まで美輪に寄り添ったのは所属事務所社長で養子のAだったという。


「文学座出身の元俳優。17歳の時、美輪さんに見初められ、付き人として自宅に住み込むように。それから50年以上、公私にわたりサポートしていました」(演劇関係者)


 文春記者から養子にした理由を尋ねられた美輪は、「報いてあげたいと思うじゃないですか!」ときっぱり答え、Aへの感謝と愛を口にしていたそうだ。


 美輪の激動の人生がスタートしたのは、1935年。長崎県で生まれると、10歳の夏に被爆する。その後被爆の後遺症に悩まされる。


 歌の世界を夢見て上京し銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」で歌手デビューした。


 57年にはシャンソンのカバー曲『メケ・メケ』が大ヒット。だが、ブームはやがて鎮静化。さらに、同性愛者であると公言したことを機に、人気は急落してしまったという。


 そんな美輪が再び脚光を浴びたのが、65年に自ら作詞作曲した『ヨイトマケの唄』だった。子供のために働く母親を描いた歌が共感を呼び、やがて代表曲に。だが、歌詞に差別用語があるとして放送禁止歌扱いされ、長らく封印された。


 テレビで歌えなくなると、演劇に活路を見出す。劇作家・寺山修司が美輪に捧げた伝説の戯曲が『毛皮のマリー』。同作で男娼役の美輪から愛情を注がれる少年役を演じた萩原朔美が回想する。


「ラストシーンを美輪さんの指摘で、こだわりの強い寺山さんが台本の改変を受け入れたのです。美輪さんの演出力が表れた瞬間でした。あの寺山さんが納得の表情を浮かべており、美輪さんの底知れぬ才能に誰もが驚いていました」


 三島由紀夫は美輪に『黒蜥蜴』をオファーするが2度断られたという。しかし三島の熱情が勝ち、上演にこぎ着けた。


「三島との逸話の中でも語り継がれているのが、自死を決意した三島が美輪さんの楽屋を訪れ、抱えきれないほどの薔薇の花束を置いて去ったエピソード。美輪さんは三島から『君の短所は俺に惚れないことだ』と言われていたそうです」(美輪と交流があった記者)


 その後も『もののけ姫』などの声優をやり、テレビの『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系)でスピリチュアルブームを起こす。


「そして多くの人の記憶に残るのが、十二年のNHK紅白歌合戦。七七歳で初出場を果たした美輪が披露したのは、放送禁止だった『ヨイトマケの唄』。美輪は黒髪に黒服という出で立ちで、六分間にわたって歌い切り、大きな話題をよんだ。十三年の取材の際、美輪はその舞台裏をこう明かしていた。


『地塗りだけで紅も落として素顔に近い顔にしたんです。黒一色の衣装でね。何にもいらないんです。それで小さい子供になったり、青年になったり、はたまた労働者のお母さんになったり。観客のみなさんに変わるところを見られないよう『(ステージを)真っ暗闇にしておいてください』と、スタッフに頼んだんです」(文春)


 総合司会を務めた有働由美子がこう振り返る。


『美輪さんは華美なセットを排除されただけでなく、照明一つ一つ、映像のサイズまで徹底的にチェックしていました。愛する我が子のために汗水を垂らす貧しい肉体労働者の母を、ステージ上に生きさせたかったのでしょう。その想いがあの伝説の『ヨイトマケの唄』になったのだと思います。袖で見ていても震えを覚える圧巻のステージでした』


 浮き沈みのある芸能界で何度もカムバックし、差別や偏見と闘った。また被爆の後遺症、呼吸器疾患、脳梗塞と、病に冒され続けた生涯でもあった」(同)


 2023年の文藝春秋のインタビューで文春記者は不倫について聞いたという。すると美和は、


「不倫というのは古来ずっとあって、演劇も音楽もそれを種に名作が生まれてきました。『アンナ・カレーニナ』だってそうじゃありませんか!」


 そう明快に答えると同時に、報じられる側の芸能人には、こんなアドバイスを送っていた。


「『じゃあおまえら記者はどうなんだ』と返す刀を持ちなさい。一般の方も、悪口を言われたら、『おまえも他人のことを言えるのか』と返せばいい。攻撃してくる人たちは、自分はまともだと自惚れているのですから、その化けの皮を剥ぎ取ってやればいいのです」


 文春記者の戸惑いの顔が見えるようである。


 自らが被爆したこともあったが、常に平和を望んだ人だった。惜しい人がまたいなくなってしまった。


 文春は追及してきた高市陣営の中傷動画問題を一休みしてしまったが、現代は、この問題のキーマンである起業家・松井健のいかがわしさを続報している。


 松井が、自分のステイタスをしめすために高市の秘書の木下剛志秘書にも見せたという、トランプ大統領と映っている写真について、こう書いている。


「大統領就任式には、招待状を得て出席させてもらい、その時に、トランプ大統領と撮ったもの」だといいふらしてきていた。


 だが現代によると、現物を入手すると、背景には「CPAC」(保守政治行動会議)がある。全米の保守派政治家が集まるイベントだそうだ。


「CPAC JAPAN」を運営する、あえば浩明(写真の左に写っている)はこう話している。


「松井さんは『自分は天才ハッカーで、一度は捕まったが、当局と取引し、ホワイトハッカーになった』と自称していました。彼のSpace Viewという会社が’22年に約10万ドル(約1300万円=当時)を支払い、CPACのスポンサー枠を買った。テキサスで行われたイベントの際、彼の要望を受けて私がかけあったら、運よくトランプさんと写真を撮れた。1回切り数十秒の出来事です」


 松井とトランプとは何の関係もないといっているのだ。


 こうした巧妙な演出力で、芸能界の人気ダンスボーカルユニットEXILEのATSUSHIに取り入り、都内でバーを共同経営していたという。


 こうしたいかがわしい人間にコロリと騙されてしまったのが高市首相の木下秘書だったということのようだ。


 ここで現代が追及しているのは、松井がいい加減な人間だったとしても、高市首相の秘書の木下が丸め込まれ、いいように利用され、「サナエトークン」を発売するにまで至ったことだ。


 こうしたいかがわしい人間が、高市首相の周辺には多くいるようだ。そこを含めて、すべてを明らかにする必要があるのはいうまでもない。


 お次はポストから。今度は高市首相陣営からタオルを有権者にタダで配っていた疑惑である。高市首相は疑惑のドン・キホーテだ。


 中傷動画をはじめ様々な問題が浮上しても強気の姿勢を貫いている高市首相。そんな高市首相の事務所が、関連グッズ“サナエタオル”を地元有権者に配っていた疑惑が発覚したとポストが報じている。


 選挙区内で有権者に無償で物品を配ることは、公職選挙法違反にあたる可能性があることはイロハのイである。


 ポストによれば、昨年10月、高市首相が自民党総裁選に勝利した瞬間、テレビ中継の画面を彩ったのが、支持者らが首に掛けた「Fight On!! Sanae」などと記された通称「サナエタオル」だった。


 この会の主催は「高市早苗を内閣総理大臣にする奈良の会」となっていたが、当日の参加者らの証言によると、仕切っていたのは「高市事務所」で、タオルの無償配布も事務所や後援会が行なったものだという。


「タオルのお金? そんなの取っていませんよ」


 という参加者の証言もあった。


 このサナエタオルは高市氏の名前入りのもので、ネット通販などで1枚2000円で販売されていた。転売サイトでは最高2万円以上の値がつけられているというのである。


 公職選挙法199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)では、〈公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない〉と定めている。つまり、地元の有権者に無償でタオルを配った行為は、公選法が禁じる「寄附」にあたる可能性があるのだ。


 これまでも国会議員の地元への違法寄附は2014年に「うちわ」配布で法相辞任に追い込まれた松島みどり議員をはじめ、しばしば問題化し、大臣辞任や議員辞職に追い込まれたケースが少なくない。


 高市首相はポストの取材に「高市事務所において、10年以上前から、高市早苗政治資金パーティのパーティ券購入者にお渡ししているほか、希望者に販売しているものです。事務所として、選挙区内の方に無償で配布するということは一切行っていません」(高市事務所の回答)としている。


 だが、高市首相の地元・天理市にある奈良プラザホテルの大宴会場は、昨年10月4日の自民党総裁選当日、詰めかけた多くの高市支持者の熱気で溢れていた。高市氏の勝利が決まると歓声が上がり、「おめでとう」と書かれた紙が広げられた。日本初の女性総理の誕生への道が開いた瞬間だった。その様子はテレビの全国ネットでも報じられた。


 この時、ほとんどの支持者が首から掛けていたのが「サナエあれば憂いなし」「Fight On!! Sanae」などと入った“サナエタオル”だったという。


 当日の参加者の1人がこう語っている。


「司会をしていたのは高市事務所所長の木下剛志・秘書で、事務所の秘書やスタッフたちが支持者のお世話をしていた。高市事務所が仕切っている感じでした。会場では事務所か後援会かのスタッフが段ボール箱に詰まったサナエタオルを『余っているものなので、欲しい方いますか?』と言って配っていました。1年前のバージョンのタオルだと聞いたが、みんな受け取っていた。出口で回収? そんなことしてませんでしたね」


 次から次へと湧き出す疑惑。これも高市が本気で首相を目指していなかった証左であろう。あまりにも警戒心がなさすぎるのだ。


 “棚ぼた”首相のわきの甘さは、どんな威勢のいい言葉を重ねても払しょくできるものではない。


 ところで、会期末を17日に控え、重要法案、中でも皇室典範改正法案を通すために強行突破するのかが焦点になってきた。


 ほかにも重要法案がいくつもあるのに、皇室典範改正に絞ってきた意図は何なのか?


 その裏には、麻生太郎が、自分の目の黒いうちに女系、女性天皇を完全に潰し、あわよくば、自分の妹が無理やり作った新皇族家に養子をとり、天皇に仕立て上げ、外戚として権勢を振るおうという時代錯誤の謀略が潜んでいるのではないかと危惧されている。


 これは私の妄想ではない。


 野田佳彦元首相もこういっている。


「要綱では、養子の受け入れ先に『親王妃』も含まれています。もちろん、養子縁組は皇室会議で決めていくことですが、法律上は外戚政治も可能になる。麻生氏は利害関係者にもかかわらず、なりふり構わず養子案を推し進めています」


 高市首相は麻生のいいなりだが、ここへきて、高市の“舎弟”の黒田宮内庁長官が、突然、援護射撃かと思われる発言をしたので、唖然とした。


 毎日新聞によると、


《宮内庁の黒田武一郎長官は2日、定例記者会見で皇室典範改正案が閣議決定された見解を問われ「長きにわたって議論が積み重ねられた結果として、閣議決定にいたったことを重く受け止めている。まずは法案の審議に適切に対処していきたい」と述べた。


 皇族数の確保を目的とした改正案では、女性皇族が結婚後も身分を保持し、旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族とする。この内容や国会での議論のあり方について、黒田氏は「私どもがコメントできる話ではない。どのような結論を出されるのかは国会の判断だ」と説明。静観する姿勢を改めて示した。


 皇室制度を巡る議論はこれまで堂々巡りが続き、皇室の縮小に何ら対策が取られてこなかった。黒田氏は「長い時間を経てここまできた」と経緯を振り返り、「何らかの方向性が出てきたらありがたい」との心境を明かした。》


 これまで長い時間かけてきたのだから、ここらへんで結論を出してもらいたいと、長官が“催促”したのである。


 この発言は、天皇の了解を得てしているのであろうか? 


 天皇はオランダ・ベルギーを訪問する前に会見して、「多くの国民の理解を得る改正であってほしい」と述べた。


 明らかに、今の改正案には“違和感”を持っていると思われる。


 こんな中途半端な皇室典範改正を無理やり今、成立させる必要はない。


 かえって、この中途半端で、男尊女卑の皇室典範改正に対する様々な意見が出たのだから、今一度、これを有識者会議なり、新しい皇室典範改正委員会でも作って、徹底的に議論して作り直せばいいのだ。


 拙速にこんな半端なものを成立させれば、天皇制そのものが揺らぐことになる。


 高市首相は嫌いな日本国憲法をもう一度読み直すべきである。


 さて、高市政権の支持率がじわじわ落ちてきているのと同時に、自民党内からも高市首相に反旗を翻す議員たちが出てきた。


 石破茂前首相は元々党内野党だから、また同じことをいっていると歯牙にもかけられないが、将来の首相候補の一人である小渕優子が離反したとなれば、高市首相も身震いしているのではないか。


 新潮によれば、一強を誇る高市首相に対して、身内が公然と職を辞する形で盾を突いたのは初めての例といっている。


「自民党内では一途で従順と評判だった小渕優子元選挙対策委員長にとっても、それは四半世紀の政治家人生で初めての“反抗”となった。


 自民党の数ある調査会の中でも、日本の税のあり方を決めるなど絶大な権限を持つとされるのが税制調査会。その非公式幹部会合メンバー、通称インナーの一員で副会長を務める小渕氏が、突如として辞任の意向を示したのである。


『今の自民は、高い支持率を保つ高市総理にモノ申せない状況にありますが、税調インナーを自ら辞することは明確な“NO”の意思表示。とても勇気のある行動だと評価したい』


 歴代内閣で閣僚を歴任したベテラン議員に聞くと、


『小渕先生の行動は、党内の風向きを変えるかもしれませんね。あとに続く人もいるでしょう。今後、内閣支持率の低下と反比例して、徐々に徐々にと数は増えるでしょう。党内抗争になる可能性もなきにしもあらずだと思います』


『勇気のある行動』『党内抗争』など、何やら物騒な言葉が飛び交うありさまなのだ。


 小渕氏が代表を務めるいくつかの議連で事務局長を担う大岡敏孝元環境副大臣は、彼女の心情をこう代弁する。


『小渕先生は日本のためには財政再建が必要との立場で、未来の子どもたちに負担を残さないという信念をお持ちです。今の税調で居場所がなかったのではとの指摘もあるようですが、私は逆に捉えています。なかなか税調で議論していても外には伝わらない。そこで小渕先生は身を挺して、安易な消費減税の危険さを伝えたかったのだと思います。自分がどうのこうのというよりは、思い切った行動を取ることで、国民の皆さんに警鐘を鳴らしたのではないでしょうか』


 一方、小野寺五典(いつのり)税調会長は周囲に対して、『高市内閣の支持率が下がらないようにすることが一番大事だ』と発言したという」(新潮)


 政権発足当時から、高市首相のやり方は「やってる、やってる」と見せるだけで、物価高にあえぐ国民生活を少しでも楽にする施策を何一つといってもいいくらい手を付けていない。


 新潮で経済学者で慶應義塾大学大学院の小畑績教授はこういっている。


「消費減税という政策には合理性があるように見えません。というのも、国民が物価高で困り始めてから、もう1年以上経っているわけです。そんな中でまだ今から半年、あるいは1年以上実現にかかるわけでしょう。もはや緊急対策にならない。物価高対策をやるなら構造的な対策が必要なのであって、一時的に国民の気分を盛り上げるための消費減税では、問題の本質には届かない。要は高市さんの“国民のために私は頑張っている”というアピールにしかなっていないのです」


 高市政権の化けの皮を剥がせ!


 今週の最後は、個性派俳優・佐藤二朗(57)が共演している橋本愛(30)に対して「爆弾ハラスメント」をしたと報じている文春の特集である。


 このタイトルは、少し前に映画『爆弾』が公開され、爆弾犯の中年男スズキタゴサクを見事な迫力のある演技で演じたのが佐藤二朗だったからだろう。この演技で佐藤は日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。


 私の好きな俳優ではないが、子どもが無理に気負っているおこちゃま俳優ばかりのいまのテレビや映画では、ほとんどいなくなってしまった貴重な個性派俳優である。


 私は映画『あんのこと』の複雑な刑事役もよかったと思っている。


 橋本愛というのはよく知らないが、NHKの朝ドラ『あまちゃん』で能年玲奈の親友役で注目を浴びたそうだ。


 “事件”のあらましを見てみよう。


「四月十四日からフジテレビ系列で放送されたドラマ『夫婦別姓刑事』。


 東京・中野区の沼袋警察署刑事課に勤務する四方田誠と鈴木明日香。抜群のコンビネーションで事件を解決していく名バディだが、実は二人は夫婦でもあった。


 警察には『夫婦は同じ部署に所属してはいけない』という暗黙のルールがあり、禁断の関係を隠しながら事件解決に奔走する姿を描く。


 秋元康が企画・原案を担当し、視聴率こそ振るわなかったものの、無事六月二十三日に最終回放送を迎えたばかりだ」(文春)


 妻の明日香を橋本が演じた。


 だが、撮影中に、佐藤の橋本に対する問題行為が発覚し、事態を重く見たフジテレビ側が弁護士に調査を依頼し、ハラスメントだと認定されたというのである。


 時系列でみていこう。


「三月二十二日、フジテレビ本社で佐藤と橋本が警察車両に乗るシーンの撮影が行われた。


 ここで後の問題のきっかけとなる事件が起きる。


『佐藤さんがアドリブで橋本さんの頬に両手で触れたのです。この日、佐藤さんは体調を崩していて、頻繁に咳をしていた。身体に触るなら事前に伝えるなど配慮すべきだった。橋本さんも、そこまで気にしなかったのですが、周りのスタッフは「これ大丈夫かな」と心配した様子でした』(同前)


 橋本には、こうした身体接触を憂慮する深い事情があった。


『実は橋本さんは十年ほど前に、舞台の現場で共演者からハラスメント被害を受け、心に深い傷を負った経験があります。今回、ベッドシーンなどはありませんでしたが夫婦役でのオファーを受ける際、念のためプロデューサーに対して身体接触の制限が出るかもしれないと事前に伝えていたのです』(ドラマ関係者)」(文春)


 ここでプロデューサーが佐藤側に伝えた方がいいかと聞いたところ、橋本の事務所は判断をゆだね、プロデューサーは佐藤のマネジャーに身体接触の制限が出るかもしれない旨を伝えたそうだ。


 だがマネジャーは佐藤が撮影を張り切っているので、演技に制約をつけたくなかったためで、「佐藤には伝えず、プロデューサーもそれを了承した」という。


 翌日、2人の寝室シーンが行われるので、2人が別々に楽屋に入った。


「前日に顔面へのタッチがあったので、橋本さんの事務所から、プロデューサーを通じて、佐藤さんに身体接触についての配慮を改めて求めるよう申し入れがありました」(ドラマ関係者)


 プロデューサーから事情を聞いた佐藤は、橋本の楽屋へ向かったそうだ。


 楽屋には彼女のマネジャーとヘアメイクの担当者がいたが、佐藤は、「2人きりで話したい」と“強引”に迫り、ヘアメイクは退出、マネジャーは残ったという。


「佐藤は『(身体接触の)制限があるなら事前に言うべきだ!』と橋本を痛烈に批判。橋本側はオファー段階で局に制限の可能性を伝えていたことを説明した」(文春)


 橋本は「なんでこんなことができるんだろう……」と怯え、佐藤が退室した後に号泣したという。


 その後も佐藤と橋本、プロデューサーとマネジャー同席で、肩と腕はアドリブで触れて良く、そのほかの個所にも事前に許可を得れば問題ないとまとまったそうである。


 ここから“事件”が起こる。


 それから2週間たった4月8日。第一話の完成映像を見た佐藤は感極まったのか、またも橋本の楽屋へ突撃したというのだ。


 ドアを開けるや佐藤は、「感動した!」と感想を伝えたという。そして強い口調でこうまくしたてたというのだ。


「そういう(身体接触の)制限があるんだったら夫婦役は受けるべきじゃない」「あなたはこの仕事を受けちゃいけなかった」


 そして橋本のこれまでのキャリアを全否定する発言が飛び出す。


「あなたは役者をやるべきではない!」


 突然の“爆弾発言”に橋本はひどく動揺した。


「佐藤さんの剣幕は相当なものだったそうです。橋本さんもヘアメイクさんも一方的に話す佐藤さんをメイクの鏡越しに見つめるだけで『はい』としか返事ができなかったそうです」(ドラマ関係者)


 撮影に入っても橋本の涙は止まらなかったという。


 フジテレビも黙って見ていたわけではなく、外部の弁護士に調査を依頼したというのだ。


 所属事務所社長、フジのプロデューサーなどが同席のもと、弁護士による佐藤のヒアリングが行われたそうだ。


 弁護士は、橋本に直接謝罪することは避けるように、2人だけの雑談も避けるように注意したという。


 真摯に聞いていた佐藤だったが、その8日後、佐藤が急に撮影を休んでしまったそうだ。


 この日、佐藤のXに次の一文が掲載されたという。


〈俳優として、譲れぬことは、絶対に、絶対に、「なにがなんでも譲れぬ」と言うべきだった。自分が表現者として絶対に守るべきことは守るべきだった。芝居の神さまに死んでもお詫びしきれない。〉


 投稿はすぐに削除された。


 その後、佐藤の橋本に対する態度が一変し、横に橋本がいても「我慢、我慢」といったり、橋本を遠ざけようという態度を見せ始めたそうだ。


 以降、撮影現場にフジの幹部が立ち会うようになり、フジ側は弁護士によるヒアリングを進め、「役者などやるべきではない」という発言は「深刻なハラスメントに該当する」と認定したという。


 だが、佐藤の事務所側は「ハラスメントに該当するとは考えていない」とし、


「佐藤が一話の完パケを見たところ素晴らしかったので、今後の撮影のことも考えてわだかまりを残さない方がいいと思い、橋本さんとお話ししたく、楽屋に伺いました。そこでは橋本さんに俳優同士のお芝居の話として、今回素晴らしい芝居であったこと、そして過去の心の傷は最大限、尊重されるべき社会だと心から思うけど、これからもあなたが夫婦役の相手役にそのようなことを強要し続けるなら、役者は続けるべきではないと僕個人は思います、という思いを伝えました」


 と回答しているという。


 この記事がSNSで大荒れなんだそうだ。


 多くは佐藤の言動に批判的なようだが、橋本への中傷まがいのポストも多いという。


 私はこの記事を読んで、何でこんなことが大きな話題になるのかが理解できない。


 佐藤の「女優論」のほうが真っ当に思える。


 たしかに、橋本という女性は、過去に相当手ひどいセクハラを受けたのだろう。それには言葉もない。だが、引退せずに女優で生きていこうと踏ん切りをつけたのなら、それなりの覚悟を持つべきではないか。


 この些細な出来事を大事にしたのは、当人ではなく、佐藤のマネジャーであり、プロデューサー、フジテレビ側の対応のまずさである。


 昔、三國連太郎という俳優は、女優とベッドシーンの撮影中、本当に挿入してしまったという「逸話」が残っている。


 もちろんそれを肯定しているわけではない。今はどこの撮影所でも、撮影前に女優側が「濡れ場でも、ここまではいいけど、これ以上は嫌」とはっきり主張し、相手俳優はもちろん、プロデューサー、監督もそれを順守することが当然のように行われていると聞く。


 今回、それが明確に行われていなかったようだ。佐藤からすれば、夫婦役なんだから、手を触ったり肩を抱くくらいは許容範囲と考えても批判することはできない。


 濃厚なベッドシーンがあるはずもない。だが、演技するというのは、そんなお上品なものではない。佐藤は「あなたは“女優”をやるべきではない」というべきだった。私はそう思う。


 橋本という女優は、しばらく静養して、女優とは何かを考えてみたらいい。


 文春らしくもない。こんなことで希少な個性派男優を失ったら、日本の映画界の損失だぞ。


 アカデミー賞主演女優賞を4度受賞した、キャサリン・ヘプバーンは女優についてこういったという。


「女優とは、ただ『演じる』人のことではないわ。自分という人間を100%剥き出しにして、大衆の前にさらけ出す勇気を持つ人のことよ」

(文中一部敬称略)

(文=元木昌彦) 


このニュースを読んでどう思う?

0 みんなの意見 0
良い!に回答しました
悪い!に回答しました