カナダ、EU加盟論も浮上=米との摩擦で急接近

2026/09/13 04:39配信【時事通信社】

 【ブリュッセル時事】トランプ米政権との摩擦を背景に、欧州連合(EU)とカナダが急速に距離を縮めている。カナダは最大の貿易相手である米国への過度な依存からの脱却を模索。EUも価値観を共有するカナダとの連携に積極的だ。国際情勢が不透明さを増す中、協力の対象は通商から防衛、エネルギーまで広がり、カナダのEU加盟論さえ浮上している。 「大国には力がある。だが、私たちにもできることがある」。カナダのカーニー首相は1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「ミドルパワー(中堅国)」の連携を訴えた。大国は巨大な市場や軍事力を背景に単独で行動できるが、中堅国は一対一の交渉では弱い立場に置かれると指摘。大国の歓心を買おうと競うのではなく、結束して「影響力のある第三の道」を築く必要があるとの考えを示した。 その有力なパートナーとなっているのがEUだ。カナダは2月、欧州外で初めてEUの防衛調達支援制度「SAFE」への参加協定に署名。3月にはデジタル貿易協定の交渉も開始した。フォンデアライエン欧州委員長はカーニー氏を今月16日の欧州議会での施政方針演説に招待。同氏は外国政府首脳として初めて出席し、17日には同議会で演説も行う。 関係強化が進む中、カナダのEU加盟論も取り沙汰されている。フランスのバロ外相は3月、将来の加盟国に触れ「いつかカナダも」と発言。フィンランドのストゥブ大統領も、カーニー氏に加盟を「考えてみてはどうか」と持ち掛けた。カナダ国内でも支持は広がっており、ナノス・リサーチが4月に公表した世論調査では、約57%が加盟を「支持」または「おおむね支持」した。 ただ、EU条約は加盟を申請できる国を「欧州国家」と規定しており、北米のカナダにとって加盟の現実味は薄い。それでもカナダ側は、EUとの関係強化に向けて「あらゆる選択肢」(政府当局者)を検討しているとされる。10月29、30両日のモントリオールでのEU・カナダ首脳会議では、双方の結び付きをさらに強める方策が打ち出される見通しだ。 


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