住民「言葉が出ない」=片付けと土砂撤去、にじむ疲労―台風25号、広範囲で被害・千葉、神奈川
台風25号による浸水被害や土砂崩れで9人が死亡、4人が行方不明となった千葉、神奈川両県では23日、住民らが「言葉が出ない」と語り、泥に覆われた自宅の片付けや土砂の撤去に疲労をにじませた。 約300棟が浸水した千葉県佐倉市。高齢の両親と暮らす菅生一孔さん(59)は、自宅1階部分に泥水が流れ込んだ。8月の豪雨でも浸水被害に遭ったといい、「片付けを続けていた矢先だった。気落ちしても仕方ない」と語り、玄関先の泥を水で洗い流した。 腰の高さまで浸水したという居酒屋では、常連客3人が汚れた酒瓶や食品を運び出す作業を続けていた。客の一人は「店が心配で手伝いに来た」と話し、別の客は「土のうでも積んでいればましだったかもしれない」と振り返った。 80代の男女2人が犠牲となった鴨川市小湊では、自衛隊などによる捜索が続いた。町内会長の小林慎治さん(74)は「15~20秒間、砂利を激しくこするような音が聞こえた」と土砂崩れの様子を語った。妻で民生委員の靖恵さん(74)は大雨の際、1人暮らしの高齢者宅などに避難を呼び掛けて回った。犠牲者の女性にも声を掛けたが救えなかったといい、「言葉が出ない。後悔が残る」と肩を落とした。 土砂崩れに巻き込まれ、30代女性が死亡した神奈川県三浦市初声町。付近は一帯が泥に覆われていた。リビングの窓を突き破り土砂が流れ込んできたという50代の女性は「雨で何も聞こえず、突風みたいな音がしたと思ったら土砂の音だった」と振り返る。近所の50代男性は「21日夕方くらいから雨が強くなり、ごーっと風が通り抜けるような音が続いた」と語った。隣の家のガスボンベが土砂と一緒に家の中に流入。危険を感じ、家族とともに近くの駐車場に避難したという。 同市南下浦町では、土砂に巻き込まれ、行方不明となった20代女性の捜索活動が続いた。地元で育ったという区長の高橋公雄さん(75)は「ここまでの被害は初めてだ」と話した。
