ロシア産軽油供給、効果に疑問=店頭価格、前週より上昇
2026/10/17 15:34配信【時事通信社】
【ニューヨーク時事】軽油価格の高騰に対処するため、トランプ米政権が打ち出したロシア制裁の一部緩和と同国産軽油の市場供給の効果が疑問視されている。トランプ氏が合意したと主張したロシアとウクライナの「エネルギー停戦」も瓦解(がかい)状態で、足元の軽油価格はむしろ上昇。こうした施策では「根本的な問題は解決できない」(米金融機関)との指摘もあり、前年より7割超高い水準で推移する米国の軽油価格が低下する兆しは見えない。 トランプ氏は9日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、同国が軽油30万トン超を米国や国際市場に供給することで合意したと表明した。米財務省も同日、2027年4月上旬まで、対ロシア制裁を一部緩和し、同国産軽油の米国などへの販売・輸出を認めると発表した。 一方、全米自動車協会(AAA)のまとめでは、軽油小売価格の全米平均は16日時点で1ガロン(約3.8リットル)当たり約6.33ドル(約1000円)と、前週9日の6.28ドル(同992円)から上昇。石油製品市場での価格変動が店頭価格に反映されるまでには時間差が生じるものの、現時点で効果は見えない。 トランプ氏は9日、ロシアが11月以降もさらに軽油を市場に供給するとも説明した。 一方、米金融大手バンク・オブ・アメリカは13日付のリポートで、「軽油問題に『銀の弾丸』(特効薬)はない」と指摘した。米イラン対立による原油価格の上昇、ウクライナの攻撃によるロシアの石油精製能力低下に加えて、経済協力開発機構(OECD)諸国の堅調な需要などが軽油価格高騰につながっていると分析。制裁の緩和や備蓄の放出などでは、在庫や精製能力の不足といった課題は解決できないと強調している。
