国民の関心は「戦後」に=ネタニヤフ氏への批判拡大か―イスラエル

2025/10/13 22:31配信【時事通信社】

 【エルサレム時事】イスラエル国会でのトランプ米大統領の演説は、イスラエル社会にとってパレスチナ自治区ガザでの戦闘に区切りを付ける転機となりそうだ。ガザから「戦後イスラエル」へと国民の関心は移り、イスラム組織ハマスの奇襲を許したネタニヤフ首相の退陣を求める動きも活発化するとみられる。 「今こそ、戦場でのテロリストに対する勝利を中東全体の平和と繁栄という究極の目標につなげる時だ」。トランプ氏は演説でこう強調し、和平実現を訴えた。「イスラエルは武力によって得られる全てのものを勝ち取った」とも述べ、終戦に向けた機運の醸成を図った。 ハマス壊滅を至上命令としてきた極右政党に連立政権の命運を握られているネタニヤフ氏は、和平合意後も、ハマスへの「勝利」を宣言しつつ、「戦闘再開」をちらつかせている。国民の7割近くが「戦闘終結の時がきた」と考える中で、ネタニヤフ氏は政治状況から明確な立場を示せていないのが実情だ。 多くの国民は、恒久的な和平も構想するトランプ氏が停戦に導いたと捉えている。イスラエルの著名ジャーナリスト、ダナ・ワイス氏は時事通信の取材に「(トランプ氏の国会演説は)ネタニヤフ氏が口に出すことができない中で、軍事的段階の終わりを象徴的に宣言するものだ」と述べた。 トランプ氏は演説中、高まる批判を念頭に「彼(ネタニヤフ氏)に恩赦を与えてはどうか」と提案してみせた。だが、国民の大半は「ハマス壊滅」という目標に懐疑的で、ネタニヤフ氏が戦闘を引き延ばした張本人との見方は根深い。世論調査では6割強の国民が辞任の必要性があると回答しており、今後は来年に予定される総選挙への動きが加速しそうだ。 


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