「裁判官の感覚にずれ」=再審巡る議論、研究者指摘―アンケート調査
2025/11/16 15:13配信【時事通信社】
再審研究者へのアンケート調査では、検察官の不服申し立て禁止や証拠開示の範囲拡大以外の論点についても自由に記述してもらった。 確定した有罪判決などに関与した裁判官を再審請求審の担当から外す「除斥・忌避」の規定を設けるかについて、法制審議会の部会では裁判官の委員から「予断の問題は生じない」などとする反対意見が出た。これに対し、西南学院大の福永俊輔教授は「一般的な感覚との間に大きなずれがある」と疑問視した。 近畿大の辻本典央教授は「確定審に関わった裁判官を請求審の手続きから排除することが適切だ」との見解を示した。京都女子大の伊藤睦教授も「裁判官が予断を持たないことを前提とする議論は現実的ではない」と記した。 再審請求での手続き規定の整備も問題となっているが、立命館大大学院の松宮孝明教授は「再審請求は裁判官の事件処理として評価されないという、裁判所内部の評価が問題だ」と指摘。明治大の石田倫識教授は、裁判所と検察官、弁護士による三者協議が再審開始の前提となっているとし、「再審請求人に三者協議を請求する権利を保障すべきだ」と提案した。 超党派議員連盟がまとめた改正法案に盛り込まれた「除斥・忌避」の規定には、アンケートに回答した19人中17人が「賛成」、2人が「どちらかと言えば賛成」とした。再審請求手続きの規定も「賛成」が11人、「どちらかと言えば賛成」が7人だった。
