米FRB、雇用と物価リスクの板挟みに=労働市場悪化と原油高騰が直撃

2026/03/07 15:10配信【時事通信社】

 【ワシントン時事】6日公表された2月の米雇用統計では、景気を占う手掛かりとなる非農業部門就業者数が予想外の縮小を記録した。「安定した労働市場」のストーリーが揺らぐ一方、中東情勢緊迫化による原油価格高騰でインフレ再燃の恐れが台頭。連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策運営は雇用と物価の両リスクの板挟みに陥りつつある。 2月の就業者数は前月比9万2000人減と、市場の増加予想に反し、大きな落ち込みとなった。米南部から東部にかけての幅広い地域を襲った大寒波や、看護師ストの影響があったとはいえ、パウエル議長が1月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で示した「労働市場は安定化している可能性がある」との見解を揺るがした形だ。 サンフランシスコ連邦準備銀行のデイリー総裁は6日、CNBCテレビのインタビューで、「労働市場が非常に安定しているとの証拠はない」と言明。雇用悪化リスクへの懸念をあらわにした。 さらに影を落とすのが、米国とイスラエルのイラン攻撃をきっかけとした原油高騰だ。ただでさえ高いインフレを持続させるばかりか、車社会の米国においてガソリン高は消費者心理を冷まし、「他の支出を手控えさせる要因になりかねない」(デイリー氏)。 ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長はブルームバーグテレビで、油価抑制には「多くの手段がある」とし、「問題は解消できると非常に楽観している」と強調した。だが、トランプ政権が打ち出した、原油輸送に対する保険供与などの効果は未知数だ。 インフレへの影響は「原油高がどれくらい続くか」(デイリー氏)次第だが、イランの反撃など中東地域の混乱が収まる気配はない。市場では、原油高を受けてFRBの金利据え置きが長引くとの観測が浮上。一方、「労働市場は悪化傾向にあり、年末までに3回の利下げが適切だ」(ボウマンFRB副議長)との声も上がり、金利動向を巡る不透明感が一段と強まっている。 


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