メモリー高騰、PCに波及=メーカー苦慮、ゲーム機でも
パソコンやスマートフォンに使われる半導体メモリーの価格が昨年秋ごろから急騰している。調査会社カウンターポイントリサーチが今年2月に発表した最新の調査によると、パソコンなど個人向けは過去1年間で約7倍に。人工知能(AI)データセンター向けの需要拡大が背景にあり、メーカー各社は調達に奔走するとともに、製品値上げなどの対応に追われている。 パソコン製造のマウスコンピューター(東京)では昨年末、製品が値上げされるとの思惑から注文が殺到、販売の一時停止や出荷遅延を余儀なくされた。メモリーだけでなく他の部材価格も上昇傾向にあることから、今年1月には実際に値上げを断行。今後も「価格改定を検討する可能性がある」(広報)としている。 1月に東京都内で新製品を発表した米デル・テクノロジーズの担当者は「世界中でパーツが足りない」と困り顔。価格設定では「半導体のコスト上昇を加味した」と明かすとともに、納期が2~3カ月先になると説明した。今後1年程度は厳しい状況が続くという。 VAIO(長野県安曇野市)も、メモリー不足から4月の価格改定を検討。ダイナブック(東京)の担当者も「大変厳しい。(メモリーを)何とか確保したい」と話している。 メモリーはゲーム機にも必要。ソニーグループは「プレイステーション5」への影響について、「(今年の)年末商戦に対応するために必要な最低限の確保にはめどがついている」(陶琳最高財務責任者=CFO=)と説明。任天堂の古川俊太郎社長は「ニンテンドースイッチ2」向けに関し、「安定的に確保できるよう努めている」と強調した上で、価格の変更については「市場環境などを勘案した上で総合的に判断する」と述べた。 カウンターポイントリサーチは「2026年上半期に価格がピークを迎える可能性はあるものの、供給面での課題は引き続き残る」と分析。メーカーの苦境は続きそうだ。
