財源確保へ支出見直し=生活負担軽減を重視―英新首相
2026/07/20 20:36配信【時事通信社】
【ロンドン時事】バーナム英新首相は、物価高による国民生活の負担軽減策を重視し、財源確保のため支出の見直しに取り組む。経済活動への公的関与を強める「大きな政府」を志向する考えを示す一方、財政悪化リスクを警戒する金融市場も意識せざるを得ず、規律維持にも配慮する構えだ。 バーナム氏はまず、スターマー前政権が進めたデジタルID(身分証)導入計画を廃止する。スターマー前首相は昨年9月、不法移民抑制策の一環として英国で就労する場合に取得を義務付ける方針を発表した。バーナム氏は巨額の導入費を生活費支援など国民の日常生活に直結する施策に振り向ける。 バーナム氏は17日の労働党党首就任演説で「生活必需品にかかる費用を公的に管理できなければ、インフレ抑制や公的支出、経済全体を適切に管理できない」と強調。住宅、エネルギー、水道、交通などの分野で公的支援を重視する考えをにじませた。 ただ、金融市場が不安視するのは、政府が経済全体への関与を強め、財政支出が膨らむことだ。10年物英国債利回りは現在約5%と、先進7カ国(G7)で最も高い。財政悪化リスクが、国債暴落(金利急騰)を招いた2022年の「トラス・ショック」再来につながるとの警戒感は根強い。 一方、新政権の財務相人事を巡っては、財政拡張的な政策を志向するミリバンド・エネルギー相が就くとの観測が広がっていた。しかし、英紙フィナンシャル・タイムズは15日、マフムード内相の就任が有力だと報道。「投資家の懸念が後退した」(市場関係者)との受け止めからポンドが対ドルで約1.3%急騰する局面があった。市場はバーナム氏が打ち出す政策の財政への影響を注視している。
